- いろ
- I
いろ古く, 血族関係を表す名詞の上に付いて, 複合語をつくり, 母親を同じくすること, 血のつながりのあることを表す。 同母の。 実の。
「~せ」「~ね」「~は」
→ ままIIいろ【倚廬】服喪中の天皇のこもる仮屋。 いりょ。III「~の御所のさまなど/徒然 28」
いろ【色】※一※ (名)(1)光による視神経の刺激が脳の視覚中枢に伝えられて生ずる感覚。 色相(色あい)・明度(明るさ)・彩度(あざやかさ)の三属性によって表される。 また, 特に白や黒を除いていう場合もある。 色彩。「海の~」「明るい~」「いい~に上がる」
(2)物の表面に表れている, そのものの状態。 (ア)顔色。 また, 表情。「~に出る」「~をなす」「~を変えて怒る」(イ)様子。 情趣。 「~を添える」「秋の~が深まる」(ウ)(声などの)調子・響き。 「声(コワ)~」「音(ネ)~」(エ)きざし。 「あせりの~が見える」「敗戦の~が濃い」(オ)心のやさしさ。 情愛。 「心の~なく, 情おくれ/徒然 141」(カ)容姿。 姿。 「傍への~異なる人を御覧じても/太平記 18」
(3)男女の情愛に関する物事。 (ア)男女間の情事・恋愛。 「英雄~を好む」「~の道に通ずる」「~を売る」(イ)情人。 恋人。 (ウ)遊女。 (エ)遊里。(4)特定の色彩に関するもの。 (ア)禁色(キンジキ)。「女の~許されたるありけり/伊勢 65」(イ)白色の喪服。 「葬礼に~を着て供して見せ/浄瑠璃・博多小女郎(中)」
(5)種類。「~とりどり」「目に見ゆる鳥けだ物, ~をもきらはず殺し食へば/宇津保(俊蔭)」
※二※ (形動ナリ)(1)(女性の髪などが)美しく艶(ツヤ)のあるさま。「御髪~にて/源氏(竹河)」
(2)好色なさま。「いと~なる御心ぐせにて/大鏡(師輔)」
(3)風流なさま。「~なる御心には, をかしくおぼしなさる/源氏(総角)」
~改ま・る喪が明けて喪服を平常の衣服に着替える。「宮の御はても過ぎぬれば, 世の中 ~・りて/源氏(乙女)」
~に出(イ)・ず(1)思いが表面に表れる。 様子に出る。「忍ぶれど~・でにけり我が恋はものや思ふと人の問ふまで/拾遺(恋一)」
(2)色づく。 色に表れる。「鼻の~・でて, いと寒しと見えつる御おもかげ/源氏(末摘花)」
~の白いは七難隠す色白の女性は多少顔立ちが悪くとも美しく見える。~は思案の外(ホカ)「恋は思案の外」に同じ。~も香(カ)もあ・る外見・内面がともに備わっている。 名実兼ね備わる。 花も実もある。~を失・う恐れ・驚きなどのため, 顔色が青ざめる。~を変・える(怒り・喜びなどで)顔色を変える。~を正・すまじめな顔つきになる。~を作・る(1)女性が男性の気を引く様子をする。 しなを作る。(2)化粧する。 美しく装う。~を付・ける(1)商いなどで, おまけをつけたり, 値を引いたりする。(2)事に際して融通をきかす。~を直(ナオ)・す(1)元気を取りもどす。「~・して方々より馳せ参りける間/太平記 15」
(2)(怒っていた)顔色をやわらげる。「おさんも~・し/浄瑠璃・天の網島(中)」
~を作(ナ)・す怒りのため顔色を変える。
Japanese explanatory dictionaries. 2013.